イケメン御曹司の秘密の誘惑


すると、男の長い指が、比奈子の頬をそっと撫でた。

「……」

俺は、見たくなんかないくせに、目を離せなかった。

…止めろ。


比奈子がうっとりと男を見上げた。


…止めろ、比奈子。
そいつは俺じゃない。


そっと比奈子の目が閉じられる。
男は、顔をゆっくりと近付けていく。


……止めろ。
そいつは俺の女だ。
触れるな………。


二人の唇が柔らかく重なる。
深く、優しく、ゆるやかに求め合っている。




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