未定
今、私は住み慣れた町を離れ、昔少しだけ滞在していた祖母の家へ来ている。

理由は1つ。
近々、私は入学するのだ。

「王立魔術院」、それが1ヶ月後からの私の生活の場。
おばあ様の家は魔術院の校舎に近い。
だからこその引越し。

「ルナ、こちらへいらっしゃい。」

今のがおばあ様。
ルナっていうのは私の名前。
本来はルミナシアだけどね、皆ルナとかルミナって呼ぶんだ。
ちなみにルナって呼ぶのは今のところ家族だけだ。

「おばあ様、なあに?」
「制服が届いたわよ。」
「サイズ大丈夫かな?」
「その内大きくなるわ。」

私はおばあ様を見た。
私とそっくり。
というか私がおばあ様にそっくりなんだよね。
ちなみに私の母方の家系の女は皆似てる。
寧ろクローンかって具合に。
しかも歳が一定まで達すると外見は変わらない。
だからおばあ様も、おばあ様じゃなくお母様って感じ。
ただ親族と私の決定的違い。
それは…

「よろしいですか、ルナ?」
「はい。」
「あなたも来月からは魔術院の生徒。サターニアとしても、そして我がクレストニングとしても恥じぬ行動をなさい。」
「はい。」
「あなたは唯一、魔王と神の間に生まれし子。両家の姫なのだから恥を晒してはなりません。もっとも、あなたが姫である事も知られてはいけませんよ。」
「はい。おばあ様。」

そう、私は魔族の王、カオス・サターニアと、神の女王、ミスティア・クレストニングとの間に生まれた両家の血と力を受け継ぐお姫様。

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