初恋〜sweet×bitter〜
3*電車で会った意外な人*
―ピピッ ピピッ
……う〜ん。
―ピピッ ピピッ
うるさいなぁ…。
昨日同様、私は半分寝ぼけながら、目覚ましを止め、ベッドから降りた。
「……また、あの夢かぁ」
あの夢とは、6年前の初恋の男の子と出逢った日の記憶のこと。
最近頻繁にこの夢を見る。
横に置いてあった、目覚まし時計を見るとまだ5時。
「あれ?」
どうやら目覚ましをかける時間を間違えてしまったみたいだった。
「寝る時間、無駄にしたぁあぁ!!」
朝の睡眠時間はとっても大切で貴重な時間なのに!!
最悪だぁ………。
もう一度寝ようと布団に潜ってみたけど、一度目が覚めてしまったら眠れる訳がない。
しかたがなく私はベッドから降りると部屋のカーテンを開けた。
太陽がもう上がり始めていて、窓から射し込む光が暖かい。
でも、窓を開けると春のせいか肌寒かった。
私はまだ慣れない手つきで制服に着替え、下に降りて行った。