初恋〜sweet×bitter〜
それにしても……このまま待っているだけでいいのかなぁ?
できることはやった方がいい気がするけど……。
なんか、この部屋から出れそうな場所は……あった!!
私が部屋のあちらこちらを見て探していると、上の方に人が1人通れるくらいの大きさの窓があった。
私ならあの窓を通って助けを呼ぶか、ドアを開けることができるかもしれない!!
そうと決まれば即行動!
(これ以上いたら心臓が壊れちゃうよ!!)
私は立ち上がって窓を開けると、傍にあった机の上に乗り窓に手をかけた。
「おい、お前何を……」
そんな行動をした私を見て結城君がびっくりしてる。
うん、変だよね。
いきなり窓をよじ登ってるなんて。
……でも、でもこれ以上一緒にいたら本気で心臓が壊れそう。
それに、早く助けを呼ばないと!
「待っててね、今から外に……」
そう言った瞬間…乗っていた机がバランスを崩した。
「きゃあぁ!?」
(またこのパターン!?)
―――ぶつかるっ!!
そう思ったのに……。
しばらくしても、何も起こらない。
おそるおそる目を開けると私は結城君の腕の中にいた。
(ん? これって……まさか、世にいうお姫様抱っこ!? 結城君カッコいいからリアル王子様だよ!? あれっ? それなら…抱っこされてる私はお姫様!? な、ないないない!! 絶対ありえないっ!!)
私が結城君の腕の中で百面相をしていると、結城君はそっと私を床に降ろしてくれた。
「大丈夫か!?」
「うん。結城君のおかけで助かったよ。ありがとう」
「ケガはないか?」
「うん。平気……」
平気だよ。って言おうとしたのに、できなかった。
今度は床にあった何かに躓いて、私はまたもや転び、見えていた景色が逆転した。