初恋〜sweet×bitter〜
脱出
そう思った時だった。
―ドンドンッ!!
ドアが叩かれる音がした。
(もしかして…助けが来た!?)
結城くんはその音を聞いて立ち上がると、ドアを同じように叩いた。
すると、部屋の外から声が聞こえてきた。
「やっぱり、ここよ!」
「翼、水瀬っ!! いるか!?」
菫、それに…ハルくん!!
「ハル、ドアが壊れてるみたいで開かないんだ、開けられそうか?」
「うん。少しドアから離れてて」
「分かった」
そう言うと結城くんは私を抱き引き寄せた。
部屋が狭いせいで私は結城くんの腕の中。
(ドキドキし過ぎておかしくなりそう…)