初恋〜sweet×bitter〜
そう言いながら、下のリビングからお母さんが階段を上がって来る。
「玄関のところで菫ちゃん待っているわよ〜」
母は少し怒り気味の声でそう言った。
「嘘っ! 菫、もう来てるの!?」
「そうよ。 ずっと待ってくれてるんだから、早く用意して学校に行きなさい!」
「わ、分かってるよ!」
私はそう返事をすると、部屋から急いで出た。
そのとたん、"ドスンッ!"という鈍く、大きな音と共に体中に痛みがはしった。
急いでいるあまりに前をよく見ていなかったせいか、私は階段から落ちてしまったらしい。
「……痛っったぁ〜」