初恋〜sweet×bitter〜
「ごめん、菫っ!…寝坊した」
玄関で待っている菫に私は謝った。
「…お〜そ〜いっ!! 昨日あれだけ『寝坊しないでね』って言っておいたのに!」
彼女の名前は村咲 菫。(Sumire.Murasaki)
一言で言うと、綺麗系な女の子。
私の幼なじみで、一番の親友でもあるんだ♪
「今日の入学式が楽しみ過ぎて、昨日の夜全然寝れなくて……」
「遠足前の小学生じゃないんだから! あ〜、こんなことしてたら本当に遅刻しちゃうっ!! ほら、行くよっ!!」
そう言うと菫は先に走って行ってしまった。
「ま、待ってよ〜!!」
私も慌てて菫の後を追い、学校へと向かった。
□■□■
私達はなんとか入学式に間に合う時間の電車に乗ることができた。
「よ、良かったね…ギリ、ギリ…間に…合いそう…」
家から駅まで全走力で走って来たから、もうへとへと。
「そうね…」
それに対して菫は余裕だ。
それはそうだ。
菫は、都大会で優勝するほどの実力をもつバスケ選手。
体力だったら、もしかしたら男の子と変わらないかも。