触れることもできない君に、接吻を
腹が猛烈に痛む。
肩は脱臼しそうに痛い。

死にそうに痛いけれど、こんな痛みで死ねるわけがない。
これでぽっくりと逝けるならば、本当に楽なのだけど。

俺はそんな暗い考えを胸に、肩に手を当てながら虚ろながらにも裕大を見つめていた。

「やべっ! こいつ、目逝ってるぞ?」
「え? 弱くね? まだやってから五分も経ってねえぞ」
「もやしっ子だからな。まあ、今日のところは引いてやろうぜ」

そんな俺を見て、裕大の子分たちは笑い声をあげた。

屈辱的だった。
そりゃ俺はひょろひょろしているし、力もないし、もやしっ子だ。
だけどお前ら、裕大のパンチと蹴りと受けてみろよ。
立ち上がることだってままならないぜ。
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