触れることもできない君に、接吻を
「しっかたねえなぁ! お前が復活したら、また遊んでやるとするよ」

裕大は大きな声でそう叫ぶと、学校へと走って行ってしまった。
俺はそれを見送りながら、ぼうっと周りの様子を窺っていた。

体に力が入らない。
したがって、立つことができない。

だが周りには人っ子一人いなく、俺は体に力が蘇るまで動けない。
俺はちっと舌打ちをすると、地面に寝転がった。
髪の毛が水溜りに浸かったけれど、もう気にしない。

もう遅刻決定だ。
それにしばらく動けそうにないし、今日はもうサボってしまおう。

そう思ったものの、サボるのは初めてだった。
俺はよくチャラいとか軽そうとか言われるのだが、根は真面目なのだ。

家に帰ったら母さんに怒られるだろう。
明日学校に行ったらまたあいつ等に絡まれ、その挙句先生にも怒られるのだろう。

そう思うと尚更気分が沈んだ。
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