触れることもできない君に、接吻を
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それからどれくらい時間が経ったのだろう。
俺は暇になったので、こうなってしまった経路を思い出していた。
俺はクラスの中でも意外に人気で、毎日を色々な人に囲まれて過ごしていた。
だから俺には、親友なんて特定の友達はいなかったが、話し相手ならいくらでもいた。
もちろん、裕大とだって話す仲だった。
そんな俺のスクールライフが、予告もなく崩れ落ちた。
それはおとといのこと。
もっと分かりやすくいうと、由梨に会った日。
「真人ってさ、いつも笑っているけど心の中では俺らのこと憎んでそうだよな」
放課後に、俺が忘れ物を教室に取りに来たとき、そんな声が聞こえたのだ。
俺は咄嗟に物陰に隠れ、息を殺して会話を聞いていた。
「ああ、たまに感じるよな。無理して笑っている、ってやつ」
「ああいうのされると、こっち困るよな」
俺はその会話の内容に耳を疑った。
まあ、たまに無理して笑っているというのは事実だ。
クラスの中心的な立場に立っていたいと思いは、嫌われたくないという思いにリンクした。
そこで俺は、愛想を振り撒き、他人に嫌がられるような態度は取るまいとしてきた。
それが裏目に出るとは。
俺は暇になったので、こうなってしまった経路を思い出していた。
俺はクラスの中でも意外に人気で、毎日を色々な人に囲まれて過ごしていた。
だから俺には、親友なんて特定の友達はいなかったが、話し相手ならいくらでもいた。
もちろん、裕大とだって話す仲だった。
そんな俺のスクールライフが、予告もなく崩れ落ちた。
それはおとといのこと。
もっと分かりやすくいうと、由梨に会った日。
「真人ってさ、いつも笑っているけど心の中では俺らのこと憎んでそうだよな」
放課後に、俺が忘れ物を教室に取りに来たとき、そんな声が聞こえたのだ。
俺は咄嗟に物陰に隠れ、息を殺して会話を聞いていた。
「ああ、たまに感じるよな。無理して笑っている、ってやつ」
「ああいうのされると、こっち困るよな」
俺はその会話の内容に耳を疑った。
まあ、たまに無理して笑っているというのは事実だ。
クラスの中心的な立場に立っていたいと思いは、嫌われたくないという思いにリンクした。
そこで俺は、愛想を振り撒き、他人に嫌がられるような態度は取るまいとしてきた。
それが裏目に出るとは。