触れることもできない君に、接吻を
嫌な予感がする。

「んんーと……次は何にするかぁ」

俺は初めて危機感を覚え、身じろいだ。
体を掴んでいる奴らから逃れようとするが、思ったよりも掴む力は強かった。
目を押さえる力も緩まなく、俺はもう観念する他道はなかった。

今度口の中に侵入してきたのは、少し水っぽいもの。
ソースがついていて、肉のようだ。
でも少しダシが聞いている。

――ああ、やっぱり。

俺は心の中で溜め息をついた。
< 64 / 83 >

この作品をシェア

pagetop