触れることもできない君に、接吻を
俺は足を組んで、少し俯き気味になった。
そして溜め息をつくと、少し低めの声で言った。

「いや……思ったよりも元気だな、と思って」

すると公園は沈黙に包まれた。
俺は恐る恐る隣の由梨の顔を見た。

無表情だった。
ぼうっと地面を見つめている。
悲しそうなとこも、悔しそうなとこもない。

やっぱり言わない方がよかったのか、という後悔に襲われた。
だけど由梨は聞きたがっていたみたいだし。
ううん、これは間違った行為だったのだろうか。

そうやって頭を悩ませていると、急に由梨の口が動いた。

「……元気なんかじゃ、ないよ」

無表情のままそう言う由梨。

「え……どういうこと?」

俺は驚いて聞き返した。
すると急に由梨の顔は真面目な顔になり、またさっきの言葉を繰り返した。
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