儚恋。
「んんッ……ゆぅ…と」
「亜唯…口開けて」
「……んぁッ…ん」
亜唯ちゃんの甘い声が
図書室に響き渡る。
ここには、私とこの2人しか居ない。
私が居るって
2人は全く気づかない…。
どこかで
私の存在に気づいてと
心の中で願う。
そうすれば
2人の愛を一瞬でも止められると思ったから。
こんな時まで
小さな悪あがきして……
私って、
ほんと バカだ……。
「雄都…っ、くん…」
ねぇ、雄都くん
私に気づいて。
亜唯ちゃんなんて見ないで
私を見て……。