儚恋。



そんな時、
私の目を覆い隠すように温かいものが触れた。



「弥途」


そして、優しく後ろから
私の名前を呼ぶ。



「…うぅっ……」



「もう見ちゃだめ」


「蛍…っ」



そう言って蛍は
あたしの目から手を外さないまま後ろから抱き締める。


その ぬくもりが
今の私を助けてくれた。



たぶん蛍が
この光景を隠してくれなかったら……


私は嫉妬や独占欲で、

壊れていたと思うの。




ありがと……蛍…




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