儚恋。




学校を出ると
あたしは蛍の方を向いて
礼を言った。



「あ…ありがとう。」



たぶん蛍がいなかったら……


悲しすぎて
あの場を動けずに

ただ泣き崩れてたと思うの



「いいよ。
僕がしてあげたかっただけだし」



すると蛍は
ふわりと笑って私の頭を
撫でてくれた。


あぁ…落ち着く。



いつから蛍は、
私に優しい温もりをくれる人になったのだろう……?



「ほんと蛍のおかげで助かったよ!じゃあね」



それだけ言うと
私は自分の家へと足を動かした。




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