儚恋。
――――はずなのに。
「…どうして?」
「へ?」
「どうして
着いてくるのかな!?」
数分くらい歩き続け、
後ろを振り返れば当たり前のように蛍が数m後ろを着いてきていた。
ムスッとした顔で
蛍に訴えると
「だって暗いから危ないでしょ」
送っていく、と
そう言って私の隣に並んだ。
「いいよ。
私の家 近いから」
「だめ。
涙目の弥途を1人にできない」
私が断ると、その私の言葉を
聞こうとしない蛍。
なんで蛍は
ここまで私に着きまとうのだろう――――?