儚恋。




――――はずなのに。



「…どうして?」


「へ?」



「どうして
着いてくるのかな!?」



数分くらい歩き続け、
後ろを振り返れば当たり前のように蛍が数m後ろを着いてきていた。



ムスッとした顔で
蛍に訴えると



「だって暗いから危ないでしょ」



送っていく、と
そう言って私の隣に並んだ。




「いいよ。
私の家 近いから」


「だめ。
涙目の弥途を1人にできない」



私が断ると、その私の言葉を
聞こうとしない蛍。



なんで蛍は
ここまで私に着きまとうのだろう――――?





< 24 / 53 >

この作品をシェア

pagetop