儚恋。
そう考えながら
足を進めていると急に蛍が私を自分の方へと向かせた。
「あぁーぁ。
可愛い顔が台無しじゃん」
「……可愛くない!」
本当に私が可愛いなら
どうして
雄都くんは亜唯ちゃんを
選んだのよ。
半分 八つ当たりな感情を
言えずにいたのは
あまりにも
蛍が切なそうに私を見つめるから……
「…同情してるの?そういうの、嫌い…」
目の前にいる蛍は
カッコイイし
性格も気取ってないし
モテるのは当たり前だ。
だから分からないでしょ?
好きな人が違う誰かを想う
この行き場のない切なさが