儚恋。



慣れた手つきで制服に着替え、いつものように朝食を食べ
歯を磨いて身支度をして
私は家を出た。



昨日のことを思い出すだけで
唇が熱くなる……


蛍とのキスを、

思い出してしまう……




なんで……?



なんで、無理矢理なの?



「……ッ、どうして…」



一番に振り向いてほしい人に


振り向いてもらえないの?



学校へ行きながら
また私は
行き場のない気持ちが
溢れるように涙を流した。






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