儚恋。




教室に着くと、
あらゆる友達から目の腫れ様を見て驚かれた。


何があったの!?


とか、聞かれたけど
何も言えなかった。



まず私は、みんなに雄都くんが好きとか自体を
言っていないから、ここまでの経路を話せないのだ。



それに蛍とキスした、なんて
口が裂けても言えない。



あの人は
密かに人気だから……



そして、今日一日、
蛍と会わないように自販機へ行くのを控えたり、蛍の教室前に行かなかったり、
精一杯の努力をした。



でも、1つだけ。

いつもの“あの習慣”だけは
止められそうになかった。






私は今日の放課後も向かう。



蛍に察しられると知りながら


やっぱり会いたいの



大好きな、大好きな……

あなたのいる あの場所へ






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