儚恋。



だから―――。



「雄都。ここ分かんなーい」



「バカだな、亜唯」



――――だから今こうして
私はここにいる。



雄都くんと亜唯ちゃんがいるのは図書室。

そこで座って勉強するのが
2人の日課。



悪趣味なことに
私は、
そんな2人を本棚の隙間から
覗いて過ごす。



周りから見たら
間違いなく私はストーカーだ…



それでも



「……好き」



この気持ちは
ずっと加速しているの。


雄都くん…


やだよ、私……





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