儚恋。
●また恋い焦がれる
「なーんだ。
じゃあ、あの頃に俺が百瀬さんに告ってたら
上手くいってたのかよ!
ちょっと後悔(笑)」
「あははっ!本当だね」
今は私、ちゃんと笑えてる。
前までは雄都くんの前で
作り笑いしか
できなかったのに
今はちゃんと笑っている。
「…百瀬さんがいいなら
これからも友達でいたいんだけど……ダメかな?」
「ダメじゃないよ。
これからも友達でいてね」
「ありがとう、百瀬さん」
優しい眼差しで見られ
俯く私に、雄都くんがまた頭を撫でてくれた。
その時、
またドアが開いた。
その足音は
迷うことなく一直線に
ここへやって来た。