儚恋。



それと同時に
私の腕を引っ張り、自分の方へと引き寄せた。



「だめ。

弥途に触ったら、いくら雄都でも許さない」



「…へぇ。なるほどな」



なぜか雄都くんは
クスッと意味ありげに笑いながら納得した。



「雄都くん…?」



雄都くんと蛍を交互に見ると、蛍がふわりと笑って
私の頭を撫でた。



「行くよ、弥途」



そして私は
蛍に引かれるがまま図書室から出ていった。



蛍の手は、大きくて
とても温かかった……






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