儚恋。




私が蛍を好きになるだなんて
わからないのに……



「そんなの無理よ」



「いーや。やってみなきゃ
分かんないでしょ?」



――――それでも、


私は、いつか

あの初恋が
いい思い出に変わって

また新しい恋をするのだろう




「いつまで抱き締めてるの?
そろそろ離して」



「やだ。もう少し、このままでいたい。……好きだよ、弥途」



私の耳元で優しく、かつ、甘く囁く蛍にイラッとしつつも

どこか……照れくさい気持ちも感じていた。







いつか私は


また恋い焦がれる―――。








おしまい





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