三日月と雨。
月曜日の朝。
目覚ましがわりの携帯がなった。
由紀子はアラームを止めると、時間を確認し、またまぶたを閉じる。
まどろみ。
起きなければ。起きなければ。
そう思いながらも、溶けたチョコレートのように甘い睡魔が由紀子を襲う。
ミルク色の世界に由紀子はいた。
ああ、今日は課長に頼まれたあの書類を片付けなければ。
霞みがかった世界で横になりながら思ったその時。
ジリリリリ・・・・。
由紀子は現実に引き戻された。
カーテンのすき間から朝の光が漏れる。
携帯のアラームを止めて、由紀子は身体を起こした。