三日月と雨。
どろり、身体何かが纏わり付いているようだと思う。
休日明けの朝は、気分も身体も重い。
急に立ち上がれば、目眩をおこす。
わかっていながらも失敗して、何度目の前が真っ白になってベッドにへたりこんだことか。
由紀子はゆっくりと、足元のスリッパを探す。
あったかそうだという理由だけで、ドンキホーテで購入した、中がモコモコとしたドピンクのスリッパ。
ベージュやブラウンで統一された由紀子の部屋の中で、そのスリッパだけが異様なオーラを放っていた。