美しいあの人

「松井さん。話すから、頭をあげてほしいの。悪いようにはしない、ってホントなのね?」
やつれた顔をあげたその人は、安堵の表情を浮かべていた。
ああ、早く帰って美しい祐治の顔を見たい。
あたしは祐治の顔だけ見ていたい。
「話す前にメールを打たせて」
松井さんは黙って頷いた。
『ごめんね祐治。今日は遅くなりそうなの。でも大丈夫。
明日になったらきっと書けるから安心して眠って』
祐治の美しさを保つためなら、あたしはなんでもするわ。
だから松井さん。
あたしがどうしたらいいのか、話してちょうだい。
だから松井さん。
あたしがずっと祐治の美しさを楽しめるようにしてほしいの。
それができるなら、なんでもするから。

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