美しいあの人
松井さんはそこでも辣腕を振るった。
店に出勤したらマネージャーから呼び止められ、着替える前に話があると言われた。
目の前に、小さな花束を出される。
「なんですか」
「エリちゃん就職おめでとう!」
はい? なんだか分からなかったがとりあえずお礼を言って花束を受け取る。
「いやあ松井さんから聞いたよ。良かったねえ」
やっぱり松井さんか。
黙ってニコニコしておく。
そうすればマネージャーは勝手に話してくれるはずだ。
「出版社でバイトなんてすごいじゃない。
今時お客さんから昼の仕事を紹介してもらえるなんてなかなかないよ。
松井さんも、とりあえずはバイトだけど
ゆくゆくは社員登用もあるかもしれないって言ってたし、
慣れるまでは店も出ながらで構わないからよろしく、って言ってくれてさ。
店まで話ちゃんと通してくれるお客さんだって珍しいからね。
こっちも融通は利かせるから今後もよろしく頼むね!」
ああ、そういうことになったんですか。
なるほど。
店としてもやる気のない女をフル出勤させる必要もなくなって、
松井さんとしてもあたしが隠れて小説を書いていることを明かさなくてもいいわけだ。
店に出勤したらマネージャーから呼び止められ、着替える前に話があると言われた。
目の前に、小さな花束を出される。
「なんですか」
「エリちゃん就職おめでとう!」
はい? なんだか分からなかったがとりあえずお礼を言って花束を受け取る。
「いやあ松井さんから聞いたよ。良かったねえ」
やっぱり松井さんか。
黙ってニコニコしておく。
そうすればマネージャーは勝手に話してくれるはずだ。
「出版社でバイトなんてすごいじゃない。
今時お客さんから昼の仕事を紹介してもらえるなんてなかなかないよ。
松井さんも、とりあえずはバイトだけど
ゆくゆくは社員登用もあるかもしれないって言ってたし、
慣れるまでは店も出ながらで構わないからよろしく、って言ってくれてさ。
店まで話ちゃんと通してくれるお客さんだって珍しいからね。
こっちも融通は利かせるから今後もよろしく頼むね!」
ああ、そういうことになったんですか。
なるほど。
店としてもやる気のない女をフル出勤させる必要もなくなって、
松井さんとしてもあたしが隠れて小説を書いていることを明かさなくてもいいわけだ。