美しいあの人
松井さんが、空になったビールグラスを千鶴さんへ渡す。
「嘘じゃないのかそれ」
ビールグラスを持ったまま、千鶴さんが首を傾げた。
「そんな感じじゃなかったわ。
話は色々したけど、個人的に連絡先を交換するほど仲良くはなってないって。
私と共通の知り合いも多い子だから、
嘘をついたところで隠しきれないのはわかっていると思うわよ。
いずれにしても様子がおかしいのには私は気づいていたんだから
あなた達にすぐ言うべきだったわ。本当にごめんなさい」
「千鶴さんが悪いわけじゃないわよ。
だけどこんなの撮ってどうするつもりでどこ行っちゃったのかしらねえ……」
芙美子さんが、写真をひらひらさせながら言う。
あたしは何も言えなくて、
どうしたらいいかもわからなくて、
祐治の顔が見たいなあと思いながら、またロックグラスに八海山をどぼどぼと注いだ。
「嘘じゃないのかそれ」
ビールグラスを持ったまま、千鶴さんが首を傾げた。
「そんな感じじゃなかったわ。
話は色々したけど、個人的に連絡先を交換するほど仲良くはなってないって。
私と共通の知り合いも多い子だから、
嘘をついたところで隠しきれないのはわかっていると思うわよ。
いずれにしても様子がおかしいのには私は気づいていたんだから
あなた達にすぐ言うべきだったわ。本当にごめんなさい」
「千鶴さんが悪いわけじゃないわよ。
だけどこんなの撮ってどうするつもりでどこ行っちゃったのかしらねえ……」
芙美子さんが、写真をひらひらさせながら言う。
あたしは何も言えなくて、
どうしたらいいかもわからなくて、
祐治の顔が見たいなあと思いながら、またロックグラスに八海山をどぼどぼと注いだ。