美しいあの人
いや待て。そもそも彼氏なのか。
そういえばなし崩しで祐治はあたしの家にいるけれど、
お互いにそうした確認をしたことがなかった。
十代の若者じゃないし別にわざわざ確認しないけれど。
家に帰ったら聞いてみたらいいんだろうか。
「あたしって祐治のなに?」もしくは「祐治ってあたしの彼氏?」って。
やめておこう。
「どうした?」
ずっとビールグラスを持っていたので、松井さんが不審がる。そりゃそうだ。
「あああ。ごめんなさい」
「もしかしてまた余計なことを言ったか」
「いやいやいや。松井さんのせいじゃないって」
「嘘つくなよ?」
「大丈夫」
ビールグラスをテーブルに置く。
松井さんが通りがかったボーイを呼んで
「閉店までいるから声かけないでもらっていい?」と念押しする。
いつも閉店までいるのに。
ボーイがいなくなったところで松井さんがあたしに向き直った。
「エリちゃん」
あたしも居住まいをただす。
「はい」
「おかわり、もらってくれる? エリちゃんの分も」
「ああはい。おねがいしまーす」
慌ててボーイを呼ぶ。ああ何を言われるのかと思った。焦った。
そういえばなし崩しで祐治はあたしの家にいるけれど、
お互いにそうした確認をしたことがなかった。
十代の若者じゃないし別にわざわざ確認しないけれど。
家に帰ったら聞いてみたらいいんだろうか。
「あたしって祐治のなに?」もしくは「祐治ってあたしの彼氏?」って。
やめておこう。
「どうした?」
ずっとビールグラスを持っていたので、松井さんが不審がる。そりゃそうだ。
「あああ。ごめんなさい」
「もしかしてまた余計なことを言ったか」
「いやいやいや。松井さんのせいじゃないって」
「嘘つくなよ?」
「大丈夫」
ビールグラスをテーブルに置く。
松井さんが通りがかったボーイを呼んで
「閉店までいるから声かけないでもらっていい?」と念押しする。
いつも閉店までいるのに。
ボーイがいなくなったところで松井さんがあたしに向き直った。
「エリちゃん」
あたしも居住まいをただす。
「はい」
「おかわり、もらってくれる? エリちゃんの分も」
「ああはい。おねがいしまーす」
慌ててボーイを呼ぶ。ああ何を言われるのかと思った。焦った。