家出少女。
「よ、よし!」

ただいまの時刻、夜の10時。

私は、あの奈々美からのメールで家出を決意した。

思い立ったが吉日、必要なものをバックに詰め込んだ私は、こっそりと家を抜け出して奈々美との待ち合わせの場所へと向かった。

「あ、皐月っ!」

大きなバックを抱えた奈々美が、駅の前で手を振っている。

「奈々美、ほんとにいいの?」

それが、私が奈々美を見て、一番最初に出た言葉だった。


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