カクテル~Parfait Amour~
まだ半分以上残っているグラスの中身を一気に飲み干す。
「苺のミルクティーのお酒、作って。」
「ゆっくり飲みなよ。
今日は水野さんにむかえに来てもらえないんだから。」
妃緒は氷をかじりながら、僕の手元を見ている。

「私は、母親になってはいけないのかもしれない。」
「いったいどうしたの?」

すぐに飲み干してしまわないように、あえてロンググラスに作り、細いストローをさしてカウンターに置いた。
飲みなれた味を口にして少し落ち着いたらしく、ストローで氷をかき混ぜながら話し出した。
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