カクテル~Parfait Amour~
「知ってるよね。私の左腕、こんななんだよ。自分でこんなにズタズタにしちゃったんだよ。
薬飲みすぎて意識なくして、救急車に乗ったこともある。
高裕さんを何回泣かせたかわからない。」
目の前に出された妃緒の腕にはまだ、だいぶ肌の色に近くなっているとはいえ、たくさんの傷跡が残っている。
「だって、そういう病気だったんでしょう?
たとえば、病気で手術した跡がある人はお母さんになっちゃいけないって、妃緒は思うの?」
妃緒は首を横にふる。
初めて妃緒の左腕を見たときは正直言って驚いた。
だけど、自らを傷つけるという行為は、それだけ強く、生きることを望んでいることの表れらしい。
そう考えたら、生きるために受けた手術の傷跡となんら変わらないもののように思えたのだ。
薬飲みすぎて意識なくして、救急車に乗ったこともある。
高裕さんを何回泣かせたかわからない。」
目の前に出された妃緒の腕にはまだ、だいぶ肌の色に近くなっているとはいえ、たくさんの傷跡が残っている。
「だって、そういう病気だったんでしょう?
たとえば、病気で手術した跡がある人はお母さんになっちゃいけないって、妃緒は思うの?」
妃緒は首を横にふる。
初めて妃緒の左腕を見たときは正直言って驚いた。
だけど、自らを傷つけるという行為は、それだけ強く、生きることを望んでいることの表れらしい。
そう考えたら、生きるために受けた手術の傷跡となんら変わらないもののように思えたのだ。