カクテル~Parfait Amour~
「でも、紅バラでも、白バラでもないの、私?」

彼女は少しすねて見せた。
「真っ白なバラや、真っ赤なバラが他の色になっていくのはなんだかさびしいと思うよ。
だけどこのバラは、白にも黄色にも、ピンクにも赤にも自然になっていけそうだとぼくは思うんだ。」

彼女はうなずいた。

「だから君に似ているんだよ。
何色にもなれる可能性があって、このままでも充分に優しくてやわらかくてかわいい、しっかりしたバラの花なんだから。」

「そんな風に言われたの、初めて。
赤か白か早く決めて、もっと大きな花にならないといけないんだと思ってた。」
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