カクテル~Parfait Amour~
見知らぬ番号からの着信で一瞬出るのをためらった。

「はい。」
「救急医療センターの者です。
月森妃緒さんのお身内の方のお電話でよろしいでしょうか?」
「妃緒になにかあったんですか?」

血の気が引いていくのが自分でわかったが、かろうじて電話を落とさなかった。

「過量服薬でこちらに搬送されました。
意識はもどっていますが、原則としてお身内の方に迎えにきていただいています。
ご両親は遠方にお住まいとうかがいましたので…」
「わかりました。
彼女は婚約者です。
一時間もあれば着きます。」

タクシーに飛び乗り、妃緒の元にむかった。
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