カクテル~Parfait Amour~
「妃緒、何かお話ししませんでしたか?」
僕は少し迷ったが、伝えることにした。
「子どもがほしいけれど、体を傷つけて、命を粗末にした自分が母親になっていいのかと…」
「やっぱりそうでしたか。
出張から帰ってきたら、思い詰めた感じがなくなっていたから、きっと話を聞いていただいたんだろうなと思ったんです。」
「お二人のお子さんなら、きっと幸せだと僕は思います。
妃緒さんにもそう言いました。」
水野さんは遠くを見るような目をして、口を開く。
「一度、二人で病院に行きました。
俺の方が原因で、子どもができにくいみたいなんです。
ホストを始めたての頃、新人には今よりもかなり厳しかったんです。高熱を出していても休めないし、いつもどおりに飲まされて真冬の夜中にキャッチに出されたりなんてザラでしたから。それも原因のようです。
それでも、自然に授かる可能性は充分にあるからと言われたので、焦らないことにしたんです。
ストレスもよくないみたいですからね。
悩みましたけど、俺と一緒にいられさえすれば幸せだと言ってくれた妃緒の気持ちを、俺は信じられますから。」
僕は少し迷ったが、伝えることにした。
「子どもがほしいけれど、体を傷つけて、命を粗末にした自分が母親になっていいのかと…」
「やっぱりそうでしたか。
出張から帰ってきたら、思い詰めた感じがなくなっていたから、きっと話を聞いていただいたんだろうなと思ったんです。」
「お二人のお子さんなら、きっと幸せだと僕は思います。
妃緒さんにもそう言いました。」
水野さんは遠くを見るような目をして、口を開く。
「一度、二人で病院に行きました。
俺の方が原因で、子どもができにくいみたいなんです。
ホストを始めたての頃、新人には今よりもかなり厳しかったんです。高熱を出していても休めないし、いつもどおりに飲まされて真冬の夜中にキャッチに出されたりなんてザラでしたから。それも原因のようです。
それでも、自然に授かる可能性は充分にあるからと言われたので、焦らないことにしたんです。
ストレスもよくないみたいですからね。
悩みましたけど、俺と一緒にいられさえすれば幸せだと言ってくれた妃緒の気持ちを、俺は信じられますから。」