カクテル~Parfait Amour~
マイクを向けられた彼が言う。
「みんなのおかげで、売り上げナンバーワンを何回も経験させてもらいました。
これからは俺が、妃緒を世界で一番幸せにします。」
「私の一生をかけて、この中の誰よりも、高裕さんを幸せにします。」
続いてマイクをむけられた妃緒ちゃんがはっきりと言った。

宴会の輪を見守りながら、オレはこの一年間のことを思い出していた。
自分の店を持つことが決まって、一番初めに伝えたのが彼だった。
オレがはじめて勤めた店で当時、常に売り上げの上位にいたのが彼だった。仕事に対する真剣な姿勢と面倒見のよさでたくさんの後輩に慕われており、オレもその中の一人だった。
会社を興すという目標をかなえて店をやめてからも、時々連絡をくれていた。
オレの報告を自分のことのようによろこんでくれ、彼の仕事もまた順調に進んでいるとうれしい報告をしてくれた。
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