カクテル~Parfait Amour~
「どこから来たんですか?途中からピアノで入るなんて…」
「ここは野外ステージ。どこからでも入れる。」
明かりが鍵盤を照らすように差し込んでいる。近づいてきた彼女の顔には見覚えがあった。
「君は、さっきのコンサートに…」
「あなた、さっきのコンサートで…」
そう、彼女もまた、ピアノ伴奏者の一人として出演していたのだ。クラシックの発声をマスターしていないのも道理だ。
「さっきみたいなこと、君だってできるでしょう?まだ学生さん?」
「それは、できますけど。学生ですけど、音楽科じゃありません。友達の友達にたのまれて、たまたま弾ける曲だったから…」
「せっかくだから、一曲聞かせてよ。合わせるんじゃなくて、君の好きな曲を好きな弾き方で。」
彼女の奏でる音を聞いたとたん、親元でピアノを習っていた少年時代のことが頭の中に浮かんできた。
習っていた先生同士が仲がよく、人数の関係もあって毎回合同で行われていた発表会
。その度に聞いていた音だったのだ。
ぼくが高校三年生の時に最後に出演した発表会で、高校一年生だった彼女が弾いていたのがこの曲、『亡き王女のためのパヴァーヌ』だった。
「ここは野外ステージ。どこからでも入れる。」
明かりが鍵盤を照らすように差し込んでいる。近づいてきた彼女の顔には見覚えがあった。
「君は、さっきのコンサートに…」
「あなた、さっきのコンサートで…」
そう、彼女もまた、ピアノ伴奏者の一人として出演していたのだ。クラシックの発声をマスターしていないのも道理だ。
「さっきみたいなこと、君だってできるでしょう?まだ学生さん?」
「それは、できますけど。学生ですけど、音楽科じゃありません。友達の友達にたのまれて、たまたま弾ける曲だったから…」
「せっかくだから、一曲聞かせてよ。合わせるんじゃなくて、君の好きな曲を好きな弾き方で。」
彼女の奏でる音を聞いたとたん、親元でピアノを習っていた少年時代のことが頭の中に浮かんできた。
習っていた先生同士が仲がよく、人数の関係もあって毎回合同で行われていた発表会
。その度に聞いていた音だったのだ。
ぼくが高校三年生の時に最後に出演した発表会で、高校一年生だった彼女が弾いていたのがこの曲、『亡き王女のためのパヴァーヌ』だった。