カクテル~Parfait Amour~
「そういうデザインのワンピースも着るんだね。今日は何にする?時間が早いから、ノンアルコールの方がいいかな。」
「パッションフルーツのシロップはある?」
「ごめんよ、今あるのはリキュールだけなんだ。それを使おうか?」
妃緒は軽く首を横に振った。
「じゃあ、プッシー・キャットを作って。」
「了解。」
ノンアルコールカクテルの定番であるシンデレラと使うジュースの種類は同じだが、グレープフルーツジュースの割合が少なく、グレナデンシロップも使う分、甘くて飲みやすくなる。
「おまたせ。水野さんは元気?」
「おかげさまで。忙しい時期はあるけど、人にまかせられる部分も大分増えてきたみたい。
これ、おいしいね。思ったより飲みやすい。」
「名前も妃緒のイメージに合っているよ。
シロップがなくてごめんよ。何か飲んでみたいのがあった?」
「ついこの間、台風が来たでしょう。だから考えてみたの。」

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