カクテル~Parfait Amour~
「目印…」
彼女はぼくの言ったことの意味を理解しようとしてくれている。
「この国はぼくが作った国だ。まだ未完成で人に任せていい時じゃない。だからぼくは君と一緒に塔には行けない。」
「わかりました。
私までにごった水に浸かって、服が汚れて同じ色になってしまったら、どこなら水がこなくて安全な場所なのか、安心して帰れるところなのか、わからなくなってしまいますものね。」
国を守るために、ぼくも皆も危険な場所に向かう。でもそれは、大切に想う人と共に安心して暮らせる未来を手に入れるためなのだ。
彼女の存在は、その願いそのものなのだ。

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