カクテル~Parfait Amour~
階段をのぼり、突き当たりにある部屋のドアをあけた。
思った通り、娘は出窓に腰かけて、外を見下ろしている。

「お嬢様、またそんなところに。」
声をかけると、こちらを見ずに口を開く。

「私、結婚するのですって、今年中に。
分かってはいたのよ、いつかお父様の言う通りに、お嫁にいかなくてはいけないこと。
でもまさか、こんなにすぐだなんて…」
涙がほほを伝いおちていく。

「お相手の方がおいやなので?」
「なんていうか、もう、永遠に自由にはなれない。
そんな気がするの。」

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