カクテル~Parfait Amour~
「私が昔、バイオレットのリキュールが原液だと『Parfait Amour』、完全なる愛っていう意味なのに、カクテルの『ブルー・ムーン』になると叶わぬ恋って言う意味に変わるのが不思議だって言ったの、覚えてる?」
「覚えてるよ。」
「僕も覚えてるよ。お客さんにも時々話すことがあるんだ。」
「私、どうしてかわかったの。
全部を、そのままを、受け入れられるかどうかってことなんじゃないかな。
いろんなお酒がそうかもしれないんだけど、原液をそのまま飲むのって、けっこうキツイと思うんだ。だけどカクテルにしたら、ある意味お酒やジュースのいいとこどりでしょう?」
「そう言えるね。よりおいしく、飲みやすくするためだからね。」
水野さんは妃緒をじっと見詰め、瞳からも真意を汲み取ろうとしている。
「その人のすべてを受け入れられないようなら、その恋は叶わない。
一時的には、叶って幸せになれるかもしれないけど、いいとこどりでは一生を一緒に歩いていくなんてできない。
きれいな色だけじゃなくて、強い甘さも香りも、薄めたりしないでそのまま受け入れて一緒に生きていく。
それが、『Parfait Amour』。」
「覚えてるよ。」
「僕も覚えてるよ。お客さんにも時々話すことがあるんだ。」
「私、どうしてかわかったの。
全部を、そのままを、受け入れられるかどうかってことなんじゃないかな。
いろんなお酒がそうかもしれないんだけど、原液をそのまま飲むのって、けっこうキツイと思うんだ。だけどカクテルにしたら、ある意味お酒やジュースのいいとこどりでしょう?」
「そう言えるね。よりおいしく、飲みやすくするためだからね。」
水野さんは妃緒をじっと見詰め、瞳からも真意を汲み取ろうとしている。
「その人のすべてを受け入れられないようなら、その恋は叶わない。
一時的には、叶って幸せになれるかもしれないけど、いいとこどりでは一生を一緒に歩いていくなんてできない。
きれいな色だけじゃなくて、強い甘さも香りも、薄めたりしないでそのまま受け入れて一緒に生きていく。
それが、『Parfait Amour』。」