カクテル~Parfait Amour~
どれくらい、ぼくたちは並んで座っていたのだろう。
ずっと手を握り合い、彼女の重さを左肩に感じていた。

左肩が軽くなった。
いつのまにか彼女は泣き止んで、ぼくの瞳を優しい笑顔でみつめている。
ぼくの心の痛みは、彼女の笑顔とぬくもりに癒されていた。

「いつもそうだったね、私達。
どんなにつらいことがあって、苦しくても、こうして触れると、大丈夫だって思えたね。」
「そうだね。
君の存在に、ぼくはどれだけ助けられたかな。」

これから先、ぼくは彼女なしで生きていかなくてはいけない。考えただけで恐ろしい。
だけどこれが、苦しむ彼女を救えないのに、この世にとどめた罰なのだろう。
彼女を苦しみから解き放つことができるのなら、ぼくは喜んで、罰せられる罪人になろう。

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