カクテル~Parfait Amour~
「これからも、一緒に生きてはだめ?」
ぼくは耳を疑った。

「夢でだけど、死のうとするあなたを見て、あなたのいない人生より苦しい人生なんてないと思ったの。
どんなあなたでも、一緒に生きたいって。
私は確かに、今あなたの手にかけてもらえれば、これ以上辛い目にはあわないわ。
だけど、あなたはどうなるの?
それを考えたら…
私は、あなたのためなら、どんな人生でも一人で勝手に終わらせたりしないわ。」

ぼくは胸がいっぱいになった。
幾度となく死を選ぼうとした彼女が、生きることを選んだのだ。
ぼくには、生きることを選ばせた責任がある。

「一生、一緒に生きていこう。」
「どこまでも連れていってね。」

雪明かりの射し込む中、ぼくたちはこれ以上ない、強い絆と覚悟で結ばれた。
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