カクテル~Parfait Amour~
第三夜
妃緒 vol1
十日程が過ぎた。
夜の風はもう、秋になっていた。
ここ数日店が忙しかったが、今日は開店休業状態だ。こういう仕事をしていると、人の流れというものの不思議を感じる。
いきなりドアが開いて、妃緒が現れた。もともと白い肌がさらに血の気を失い、涙を流していた。
「どうしたの?」
妃緒はいつもの席に座る。
「少し寝かせて…」
「そこでいいの?」
「大丈夫。」
少しの間涙を拭ったりしていたが、やがて本当に眠ってしまった。
僕はティフィンのボトルをカウンターに置いてぼんやりとしていた。
ふと思い付き、前に妃緒が言っていた、ストロベリーの香りのミルクティーを作ってみようと思った。
ティフィンとストロベリーリキュールの割合をいろいろと試してみて、ようやく丁度いいバランスをみつけた。
忘れないように、「妃緒」という名前をつけ、その配合をメモした。
グラスの中のカクテルは、妃緒が誕生日に抱えてきたバラの花そっくりの色になっていた。
舌がマヒしてきたのでお茶を飲もうとした。
すると店の電話がなった。
夜の風はもう、秋になっていた。
ここ数日店が忙しかったが、今日は開店休業状態だ。こういう仕事をしていると、人の流れというものの不思議を感じる。
いきなりドアが開いて、妃緒が現れた。もともと白い肌がさらに血の気を失い、涙を流していた。
「どうしたの?」
妃緒はいつもの席に座る。
「少し寝かせて…」
「そこでいいの?」
「大丈夫。」
少しの間涙を拭ったりしていたが、やがて本当に眠ってしまった。
僕はティフィンのボトルをカウンターに置いてぼんやりとしていた。
ふと思い付き、前に妃緒が言っていた、ストロベリーの香りのミルクティーを作ってみようと思った。
ティフィンとストロベリーリキュールの割合をいろいろと試してみて、ようやく丁度いいバランスをみつけた。
忘れないように、「妃緒」という名前をつけ、その配合をメモした。
グラスの中のカクテルは、妃緒が誕生日に抱えてきたバラの花そっくりの色になっていた。
舌がマヒしてきたのでお茶を飲もうとした。
すると店の電話がなった。