カクテル~Parfait Amour~
『妃緒 vol1』
どうして妃緒があの日、俺の前に現れたのだろう。
二年前の12月26日。
俺は友人に誘われて、下北沢の小さな劇場に足を運んだ。
その友人は、俺が以前に一度だけショーモデルのアルバイトをした時の照明スタッフをしていた男だ。
彼の仲間が照明を担当するからと、俺も芝居に誘われたのだ。
その芝居は、妃緒がかつて所属していた大学の劇団を母体としているもので、千秋楽に俺も妃緒も観劇に来ていたのだ。
この劇団の関係者たちの結束は強い。
終演後、出演者やスタッフ、親しい人たちは劇場に残り、軽く打ち上げとなった。
誘われるままに、俺も残った。
「妃緒、ジュースある?」その声に振り向くと、妃緒が立っていた。
30年以上生きてきて初めて、一目惚れの意味を知った。
かわいいという言葉がまだ似合う、危うげな色の白さだった。
瞳が美しかった。
声をかけたのは、妃緒の大学の先輩にあたる女性らしく、親しげに話していた。
どうして妃緒があの日、俺の前に現れたのだろう。
二年前の12月26日。
俺は友人に誘われて、下北沢の小さな劇場に足を運んだ。
その友人は、俺が以前に一度だけショーモデルのアルバイトをした時の照明スタッフをしていた男だ。
彼の仲間が照明を担当するからと、俺も芝居に誘われたのだ。
その芝居は、妃緒がかつて所属していた大学の劇団を母体としているもので、千秋楽に俺も妃緒も観劇に来ていたのだ。
この劇団の関係者たちの結束は強い。
終演後、出演者やスタッフ、親しい人たちは劇場に残り、軽く打ち上げとなった。
誘われるままに、俺も残った。
「妃緒、ジュースある?」その声に振り向くと、妃緒が立っていた。
30年以上生きてきて初めて、一目惚れの意味を知った。
かわいいという言葉がまだ似合う、危うげな色の白さだった。
瞳が美しかった。
声をかけたのは、妃緒の大学の先輩にあたる女性らしく、親しげに話していた。