カクテル~Parfait Amour~
「じゃあきかせてよ、その物語を。
今日はこんな様子じゃあ他の客はこないだろうし。
この本もよかったら見るといいよ。」

僕はカウンターの下にある、カラーのカクテルの本をとりだした。

「写真もレシピも書いてあるし、コンクールのオリジナルのもあるよ。
面白い名前もたくさんある。」

妃緒はパラパラと本をめくった。
「すごくキレイ。
それにしても、この店混んでたことほとんどないよね。」
「妃緒がそういう日をねらって来てるんだよ。」

妃緒はメニューに目を移すと口をひらいた。

「最初はこれね。
『ブラッディメアリー』」
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