カクテル~Parfait Amour~
「他の女の人と話すのは何とも思わないよ。
私もお芝居で、好きな人以外と恋人同士の役やったことあるし。
役者とか、悩みを聞いてあげるカウンセラーさんと同じだと思うから。」

普通ならヤキモチを焼いてもおかしくない状況にも関わらず、仕事と割りきれる妃緒は意外に強いのかもしれない。

「でも、酔ってフラフラになって帰ってくるのには耐えられない。
昨日だって、いつも終電で帰ってくるか一時すぎには連絡くれるのに、なんの連絡もなくて、朝8時まで帰ってこなくて…
つぶれて店の階段で寝てたって…」
そこまで話すと泣き出した。

おそらく月末の締め日だったのだろう。
売上を上げるために高い酒を一気に飲み干すことがある、という話は何度も聞いたことがある。

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