カクテル~Parfait Amour~
僕たちはしばらく妃緒を泣かせたままにしておいた。
水野さんは妃緒の顔をあげさせると、指で涙を拭った。
「約束してただろ、ワッフル食べに行くって。
俺もお腹すいたんだから。」
「今から食べたら太るの。お化粧とれてるし。」
「普段そんなこと気にしないでしょう。
すねたって無駄だよ。」

水野さんは完全に妃緒の扱い方を知っている。

「今日は何も食べていないんでしょう?
お化粧はとれてたってかわいいんだからいいんだよ。気になるなら直しておいで。」
妃緒はポーチを持って席を立った。

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