カクテル～Parfait Amour～
ぼく達は寄り添って、夜空を見上げていた。

「明けない夜はないものね。」
彼女の言葉に、ぼくは少しだけ昔のことを思い出した。

「いつかぼくが、いろいろなことがうまくいかなくて、真っ暗な闇の中にいるみたいだって言ったことあったね。」
「覚えているわ。
あの時私はね、あなたのいる真っ暗な世界を明るくしてあげられない自分に腹が立った。
悔しかったの。」
彼女はいつも、ぼくの苦しみを自分のことのように苦しんでくれてきた。

「君がそう言ってくれたのも覚えているよ。
確かに真っ暗だった。
だけど、君がずっとそばにいてくれたから、怖くなかったし、目標を見失わずにいられたんだよ。」

ぼくの本音だ。
もし闇の恐怖に負けていたら、ぼくは目標を見失い、明るくなるのを待てずに、どこかあらぬ方向に間違って走ってしまっていただろう。
そうならずに済んだのは、彼女のおかげなのだ。

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