カクテル~Parfait Amour~
ぼくたちは、ごくありふれた夫婦の生活を送っていた。そのありふれた日常は、こんなふうに突然終わりを告げてしまったのだ。

後からわかったことだが、彼女の心臓の動きはかなりでたらめになっていて、手術を勧められていたらしい。
彼女はそれをこばみ、最期まで、ぼくの妻としての日々を選びとったのだ。

幸せな日常が、できればぼくの人生の終わる日まで続くものであってほしかった。
だけど、彼女が苦しまず、望み通りの眠りにつけたことが、ぼくにとって幸せな結末だった。
< 84 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop